10月5日(土)、昭和大学副学長であり保険管理センター所長をお務めになる田中大介先生をお招きし、「中高生男子における体と心のメンテナンス 栄養とメンタルヘルスを中心に」をテーマにご講演いただきました。昭和大学と世田谷学園は今年、包括連携協定を結びましたが、子どもたちだけでなく保護者にとってもこのような学びの機会を得られますことはありがたいことです。保護者の皆様にとって関心のある議題であり、想定を上回る多くの方にご参加いただきました。
中学・高校の時期は身体・精神の発達に大きな変化が訪れる時期であり、不調に陥ることも少なからずあります。その時に異常を知らせるサイン(本人の意思とは関係なく発するサインやSOSを求めるサインなど)には、標準身長・体重曲線・肥満度判定曲線から反れている、元気がない、落ち着きがない、成績の低下、遅刻・欠席の増加など、色々な形があるそうです。先生からはこうしたサインをキャッチするためのヒントも示していただきました。現状だけを見て注意するのではなく、どのような過程で現状に至っているのかに目を向けることが大事だと痛感しました。
また、田中先生のご専門の起立性調節障害についてもご説明いただきました。起立性調節障害は思春期に多い自律神経機能不全で、しばしば立ちくらみ、湿疹、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴います。軽症例を含んで中学生の約10%、不登校の約3~4割に本症が関与しているということです。各種症状を緩和するための工夫についても教えていただきました。本症の児童や生徒が辛いと話す学校行事の例も示され、こうした悩みを持つ子どもたちのために特別扱いにはならないような工夫が必要ではとのお話がありました。
子どものメンタルフォローをするときのポイントのご説明では、子どもの相談にのるときのポイント、「あなたの健康が一番大切」と伝えること、理解してくれる大人の存在や母と子の絆(アタッチメント)の重要性、子どもを信じて見守ること、子どもが意見を言えるようサポートすること(アドボカシー)など、具体的に教えていただきました。
どれをとっても思春期の子どもを持つ保護者にとってヒントとなることばかりのあっという間の90分、熱心に耳を傾ける参加者の皆さんの様子が印象的でした。
お忙しい中、世田谷学園保護者のためにお時間を割き、貴重な講演をしてくださった田中先生にこの場を借りて改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
また、この講演会の企画・準備をしてくださった生活環境部の皆さんにも感謝申し上げます。想定を超える参加人数にも関わらず、スムーズに会を進めてくださったチームワークの良さと笑顔が素晴らしかったです。ありがとうございました。